葉山御用邸・葉山大浜海水浴場の近くに建つ2 世帯住宅。
施主は自由が丘の高級住宅地の家から、自然の多い葉山に移住を決意。必要な機能の要求以外は全て一任されたプロジェクト。
デザインにこだわりがある施主ではあるが、自然を感じる様、人工的・装飾的要素は極力さけ、シンプルに徹している。また外部の自然を内部に取込むことを意図し、大きな空間・開口をつくっている。
日中は自然光や景観が気持ち良いナチュラルでおおらかな場。そして、夜は演出された照明が都会的で心地よいスタイリッシュな場に変容するよう意図している。
風致地区の規制により建物輪郭は敷地形状に沿った「く」の字型。
1 階に各部屋を、2 階には大空間を配置し、構造的安定性と快適性を両立。無柱大空間創出のため、木造でありながら構造計画は専門家とコラボレートした。
夫婦・子供のエリアは、1 階は子供室・客間・寝室・ウォークインクローゼット・洗面便所浴室・坪庭。
2 階はリビングダイニングキッチン・納戸・便所・テラスを配置。
1 階各部屋はすべて南向き。洗面便所と浴室は透明ガラスで区切られ、浴室は坪庭に面している。
坪庭の塀は透過性白色ポリカーボネート。洗面便所浴室の壁は透明ガラスモザイクタイル床は白タイル。洗面便所と浴室と坪庭は連続した空間となり、坪庭から入った太陽光は奥の廊下まで反射し届く。
坪庭には植栽と外部シャワー設置。海水浴後、直接外から入ってシャワーを浴びることが出来るようにしている。
2 階のリビングダイニングキッチンは幅5.4M、長さ11M、天井高3M。（33 帖）床から天井までのFIX 窓を南面に、3.6M 幅の全開放窓をテラス側に設置。床は白に染色した無垢パインフローリング仕上げ。壁・天井は白色水性塗装。キッチンは施主が選んだこだわりの大型オープンキッチン。ダイニングとリビングの間にモダンな暖炉が置かれている。
親エリアは、1 階は寝室兼作業部屋。2 階はリビングダイニングキッチン・洗面便所浴室を配置。
2 階の大型出窓はたっぷりと景観を取込むよう意図。仕上げは夫婦・子供エリアと同等。
両エリアとも明るく健康的で、常に海の気配・山の緑・広がりのある空が感じられる空間となった。